三宅島の火山灰利用をめざして
 三宅島では、昨年の噴火により堆積した火山灰が、土砂とともに泥流となって海に流れ、磯根漁場に悪影響を与えていますが、この火山灰を水産業に有効利用できないものか、模索を始めました。
 今、考えているのは、火山灰とセメント等を混ぜて海藻礁を造るという利用方法。1.火山灰の大量処理、2.災害の打撃をうけた海藻群落の再生、3.海藻礁の事業化にともなう、産業振興、島の活性化に繋げることをもくろんでいます。

 この研究の下準備として、11月8日(木)に三宅支庁および三宅村役場の協力のもと、水試(大島分場・滝尾)、東京水産大学(海洋環境学科・荒川久幸助手他1名)、水産課(小島氏)による現地調査(火山灰の現存状況の確認、サンプリング)をおこないました。

 都道周辺の火山灰はほとんど流出、雄山の林道周辺には土砂混じりの火山灰が堆積していました(写真1)。また、泥流により、過去の噴火によると思われる、スコリア(砂利様の火山噴出物)も都道周辺にかなり堆積していました(写真2)。
 今回は、噴火直後、土嚢袋に収められたもの等、純度の高い火山灰を30kg程度サンプリングしました(写真3)。これを使って海藻礁の試作品をつくりたいと考えています。

写真1.青少年研修スポーツセンター(村営牧場付近)
土砂まじりの火山灰が堆積している。

写真2.角屋敷(島南部)バス停付近
スコリアが堆積している。

写真3.阿古保育園玄関
都道周辺の火山灰は土嚢袋に収められていたもの(純度は高い)しか残されていない

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