三宅島噴火災害漁場調査結果7 三宅島噴火1年後の沿岸漁場の状況 |
調査日:平成13年7月9〜10日 調査場所:図1の21地点 調査方法:潜水による目視観察、標本採取、写真・ビデオ撮影 |
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調査結果 調査地点の状況は次の4パターンに分けられた。 1)噴火による被害の少なかった地点 2)降灰により影響を受けた地点:噴火直後は火山灰が堆積し、トコブシを中心に被害が発生したが、現在は火山灰が流出し、漁場環境は噴火以前に戻っている。 3)泥流により大きな被害を受けた地点:噴火後に発生した泥流が漁場に流入し岩礁の埋没により生物が死亡した地点。現在は砂礫が流出した地点もあるが、大多数の地点で残存している。 4)崖崩れによる被害の大きい地点:昨年7月30日に発生した震度6の地震により崖崩れが発生し、崩落した土砂・岩で漁場が埋没した地点。 パターンごとの地点別状況は下記のとおりである。 1)被害の少なかった地点 (1)ミズガエシ:昭和58年噴火で溶岩流が流入した地点。小型トコブシが普通に生息。 (2)富賀浜:造礁サンゴは残存し、着生量に大きな減少はみられなかった。(写真1) (3)阿古カマニワ:トコブシは4m²中に34個体(稚貝含む)みられ、生息量は普通であった。 (4)ハシヤ崎:転石には例外なくトコブシが生息。 (5)下根崎:イセエビ漁場。水深10m付近の大岩の下にイセエビ多数生息。 (6)ベンケネ:岩間に砂と浮泥がみられたが、トコブシ生息量は今回の調査で最高。φ50cmの転石に6−18個体生息。 (7)坪田カマニワ:漁場に火山灰なく、トコブシはφ30-40cm の転石に3〜6個体。 (8)台ヶ浜:トコブシ漁場造成場外縁のテトラ(水深6-13m)は埋没していない。 |
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写真1 |
2)降灰により影響を受けた地点 (1)ジョウネ:火山灰・礫は現在は堆積していないがトコブシの生息量は少なく、過去の降灰により一部斃死したと思われる。 (2)ミノワ:昨年8月には転石下にトコブシが生息していたが、今回は生息を確認できなかった。また昨年に比べ石灰藻が優占する岩が多くみられた。(写真2) |
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写真2 |
3)泥流による被害の大きい地点 (1)立根:海中に砂礫が厚く堆積。テングサ・トサカノリ・トコブシ・イセエビはみられなかった。(写真3) (2)カタンザキ:海中の砂礫堆積量は少ないが、トコブシは少数の稚貝を認めたのみ。 (3)マエハマ(神着):海底に泥・砂が堆積。転石はなく、トサカノリはまばらにみられる。 (4)カマノシリ:水深8〜9mの海底に火山灰、砂、礫が堆積。有用生物は少ない。 (5)アノウ崎南:水深8m付近の砂地では表層の砂礫を除くと火山灰層が出現。有用生物少。 (6)ヨリダイガハマ:水深5m以浅の岩礁上に泥が薄く堆積。有用生物少。 (7)オオハシ:岩の下部は殆ど砂礫に埋まる。海藻は少なく、トコブシも4m²に稚貝2個体のみ。 (8)三池浜:他の泥流流入地点より被害は軽いが、海底に浮泥が残存し、トコブシはφ50cmの転石1個当たり1-3 個体と少なかった。 (9)アラキ:海底に砂礫が残存する。テングサは少なく、トコブシの成貝はみられない。 |
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写真3 |
4)崖崩れによる被害の大きい地点 (1)ユノハマ:崩落物は一部流出しているが、テングサ、トコブシは少ない。(写真4) (2)ウノクソ:崩落物が多量に堆積し、転石はみられない。有用生物は少ない。 |
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写真4 |
以上の結果と、本年3月・4月の調査結果を併せて、「2000年三宅島噴火災害漁場図」を作成した。 |
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