平成17年度第3回三宅島調査(速報)
東京都島しょ農林水産総合センター大島事業所
目的 :三宅島において、磯根漁業の産業重要種であるテングサの着生状況調査を行い、漁業者に情報を提供する。今回は、三宅島南東部のマクサ漁場および北部のオオブサ漁場を中心に調査した。
調査日 :平成17年6月13日(月)
調査地点:図1に示した三宅島の13地点14ポイント(水深約10m以浅)
調査項目:マクサおよびオオブサの0.5m2枠取り調査(1×0.5m枠)によって着生量を把握し、調査地点毎に作柄評価を行った。評価基準はA級(着生量1,000g以上/m2)、B級(着生量500g以上1,000g未満/m2)、C級(着生量500g未満)とした。また、枠取りでサンプリングした藻体10本の藻長を計測し、平均値を算出した。
調査結果:
・調査結果を表1、2に示した。調査地点@〜Jのマクサ漁場では全体的にマクサの生育状況は悪かったが、三池港岸壁下のケーソン上や下根崎南のミツイシ、湯の浜漁港側面と漁港脇の巨岩上にはマクサが比較的多く見られた。しかし、いずれも生育範囲は狭く、湯の浜漁港脇巨岩のマクサはひどいハナ付きであった。
・堤防付近のコンクリートはマクサの生育基盤として岩礁より適していると考えられた。その理由として、流速や、岩礁地帯より砂泥が堆積しづらい等様々な要因が考えられたが、今後検証していきたい。
・南東部では、アントクメ(ヒロメ)やトサカノリが繁茂している場所が多かった。また、サザエも多数生息してる場所が多かった。
・北部のオオブサ漁場では、サワジリ、アカゲンサキの2地点で調査したが、いずれもオオブサは多く生育しており、質も良好であった。この結果、三宅島のオオブサは北部のアカゲンサキから北東部のアノウ崎まで多く生育しており、漁業として十分成立すると考えられた。
表1.マクサの漁場評価
調査地点 漁場評価 1u当たり着生量(g) 平均藻長(mm)
@ コオラ 
A ウラネ
B ズングラネ C 55 128
C コーボー
D ドンケネ
E ヒガシアナ C 50 117
F ベンケネ  
G アラキ
H 三池港岸壁下 C 440 107
I ミツイシ  C 186 127
J 湯の浜漁港岸壁側面 C 132 156
K 湯の浜漁港岸壁下 B 500
表2 オオブサの漁場評価
調査地点 漁場評価 1u当たり着生量(g) 平均藻長(mm)
K 湯の浜漁港岸壁下 C 260
L サワジリ B 810 132
M アカゲンサキ A 1,086 150

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