3)調査結果
(1)泥流の流れ込んだ地点の状況
砂礫の堆積量は前回9月の調査時点でかなり減少しており、今回はその状態が継続しているか(カタンザキ・オオハシ)、さらに減少していた(アラキ)。コウラでは今回始めて泥流の流入が確認されたが、礫の堆積が少ないこと、岩面の白変域が少ないことから大きな泥流の流入や岩礁の埋没は起こっていないと考えられる。
(2)崖崩れのあった地点の状況
堆積量に大きな変化はみられなかった(ウノクソ、ユノハマ)。
(3)浮泥の堆積
前回多くの地点で浮泥が堆積していたが、今回堆積量は減少していた。
(4)テングサの生育状況
テングサは西側の阿古カマニワからカタンザキで新しく成長した葉体がみられたのに対し、東側のコウラ〜オオハシでは目立った成長は認められなかった。
(5)トコブシの生育状況
トコブシは地点により生息状況が大きく異なるが、泥流流入地点ではほんど生息していないか(カタンザキ、オオハシ、コウラ)、昨年生まれの1歳貝が生息する程度であった(アラキ)。崖崩れ地点では生息量は少ない。
本年8月31日の放流種苗についてみると、ジョウネでは多数確認され生き残りは多いと考えられるが、阿古カマニワではジョウネにくらべ少なく、9月の台風により影響を受けたものと推測される。
(6)イセエビ
イセエビ漁場であるハマナカとコバマについてみると、イセエビの確認数は7月の下根崎ほど多くないが、漁場に火山噴出物の堆積はみられず、大きな異常はないと考えられる。 |