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漁業用海岸局

 漁業用海岸局は漁船の安全な航行と効率的な操業のため、陸上に設置された無線局です。漁船からの無線の聴守ほか、周辺海域の気象や航行安全情報、漁業調査指導船による海洋観測情報などを放送しています。東京都には今年の4月に大島漁業用海岸局と八丈島漁業用海岸局が統合して開局した伊豆諸島海域を交信可能な範囲とする東京都漁業用海岸局と、小笠原諸島海域を交信可能な範囲とする父島漁業用海岸局があります。また、全国には同様の無線局が38局存在します。  

実通試験

 実通試験は漁業用海岸局が通信する電波の感度・明瞭度など伝搬状況を調査し、無線設備の機能を確認するための試験です。電波法では定期的に行うことが義務付けられている検査のひとつであり、その結果は総務省電波管理局に提出しなければなりません。

  東京都漁業用海岸局では5月から漁業調査指導船「たくなん」が定点水温観測を行う海域と、漁場に到着するまでの航海中に適宜、実通試験を行っています。

 試験の手順は、「たくなん」が東京都漁業用海岸局(識別信号「とうきょうぎょぎょう」)を呼び出し、現在位置(緯度・経度)の通報に引き続き、自船及び海岸局の感度・明瞭度を確認します。試験に使用する周波数など、電波の種類は地元漁業者が主に使用しているDSB 27.580MHzとしました。

 また、受信した電波の感度・明瞭度が良好でない時は、受信局から送信局へ使用する電波の種類を変更して、試験を継続します。交信ができない場合は衛星電話により海岸局へ現在位置の報告と自船からの通信状況を確認します。

 「東京都漁業用海岸局」通信室

 写真1 「東京都漁業用海岸局」通信室

 

 より安全な漁船の航行と操業のために

 今回、実通試験を行ったことにより、電波の伝搬状況があまり良好ではない場所や不感地帯が確認できました。こうした場所において、漁業者は海岸局と連絡が取れないため、船間での交信など他の連絡手段を確保する必要があります。島しょ農林水産総合センターとしては、今後、実通試験の範囲を伊豆諸島北部海域へ広げて行くとともに、その結果を示したエリアマップを作成し、漁業者のみなさまへPRするなど、漁船の安全な航行と操業を一層支援していきます。

「たくなん」通信室

写真2 「たくなん」通信室